実施設計が完了してからの、東日本大震災。震災により東北地方で生産をしている合板製造メーカーや断熱材の製造メーカーなどが被災し、材料不足による建材価格の高騰があり、ちょうどその時期の見積もり依頼という最悪のタイミングでありました。
建築家の中村さんからも、こちらの目標金額を大きく上回る金額がでてくるだろうというコメントをもらっていたので覚悟はしていましたが、工務店により金額のばらつきはあるそうなので、その中でも少しでも安く出して下さる工務店があることを期待をしつつ・・・
フタを開けてみたら、3社ともほぼ同一金額。しかも建築家中村さんが最悪の予想をした最高値で勢揃い。
そのままの金額では、とてもうちの予算で実現できるものではありません。
どれも手間ひま掛けて作れた事を思わせる、3社の厚い見積り書を見て、工務店のご苦労を感じながらも、その金額に意気消沈するしかありませんでした。
ひとまず今は白紙に戻して、震災の影響が落ち着いた頃にもう一度見積もり依頼をする、という選択肢も私の中で残したまま、実施設計を担当して下さる山崎さんと中村さんとの減額の打合せに入りました。
お二人の設計士の方と相談し、3社の見積り内容の詳細部分を検討し、実現の可能性が高そうな1社を決めました。
そして、減額内容の検討に入ります。
1、工務店からだしてきた金額に対し、単価を見直(減額)してもらう提案
と、さらに
2、施主側が要望として出していたものを中止、あるいは変更
により減額していこう、という内容の打合せです。
1はこちらからの提案なので、工務店がどう回答するかはわかりませんが、2に関してはこちらが我慢して中止すれば確実に下がる金額なので、2の中止、変更項目を中心に打合せの中でリストアップしていきました。
全部で600万円程度を減額させなければいけません。
夢見ていたものが叶わないと告げられ、あきらめる作業なので、これまでの実施設計の打合せに比べ、とても辛い時間でした。
それでも、スリムアップできる項目がでてきて、なんとか予算内に収められる見通しがついてきました。
あとは、こちらの減額案に対して、工務店の回答を待つ事になります。