2011年01月12日

戸沢忠蔵さん来社

0112ヒノキ工芸.jpg今朝、とても懐かしい方からお電話がありました。
大学時代にアルバイトでお世話になった、家具職人で家具の制作会社ヒノキ工芸の設立者の戸沢さん。
美大に入りたての私に、「今のうちに、たくさんのいいモノを見て、感性を養いなさい」と、芸術やデザインに関することなど、たくさんの事を教えて頂き、美の基本を養う機会を与えてくださった私にとって恩師と呼べる方の一人です。
年賀状をお送りして、それを見て思い出していただいたようで、たまたま近くまで来る用事があるからと、そのその帰りにスタジオネオに立ち寄って下さいました。

私がお世話になってから20年、もう68歳になるという戸沢さんでしたが、その間のご活躍ぶりは驚くほどで、スタジオネオのスタッフたちも仕事の手を止め集まってきて、戸沢さんのお話に引き込まれる時間となりました。

もともと優れた芸術的な感性を持ち合わせていらした戸沢さんですが、芸術やデザインの分野からではなく、職人から入られた方で、モノづくりへのこだわりを強くお持ちの方でした。
ご自身が設立された(株)ヒノキ工芸では、その技術の高さから高級家具メーカーの家具、また宮内庁や官公庁、高級ホテルの内装までを手がけられていました。

私も、そこでアルバイトとして工場でのお手伝いをさせていただきながら、有名な建築家の設計した建物や、高級ホテルへの家具納品に連れて行って下さり、たくさんのいいモノを見る機会を与えていただき、戸沢さんの持つ高い芸術感のお話に刺激をうけながら時間をすごしてきました。
私が建築や空間デザインに関心を持つきっかけを与えて下さったのは、戸沢さんの影響が大きくあります。

その当時から、職人としての顔だけでなく、高い審美眼を持ち合わせていた方で、デザインの方面でも、ご自身がデザインして制作された作品(鏡)が、ブナの森フェスティバル大賞を受賞なさるなどされていました。

そして今回、戸沢さんが作成された作品の写真を持って来られ、それを見た私はその作品の美しさに、驚きを隠せず、「ねえ、ちょっと皆見て!」との私の言葉に、スタッフが集まってきて、もうその美しさに皆釘付け。
昨年、広島で行われ戸沢さんの作品が出展された行われた時の展覧会の作品で、戸沢さんが作られた3次元作品の作品が大きく載ったものなのですが、その曲線の美しさは息をのむ程。有機的な形は、命を吹き込まれたような輝きを放ち、究極の美の世界にもう驚きの言葉しかないものでした。

戸沢さんの気さくなお人柄と、戸沢さんから出てくるパワーに引き寄せられ、私たちは約1時間に渡り、今回の作品のお話から、戸沢さんのこれまでのお仕事のエピソードなど、目を輝かせながら話しに聞き入ってしまいました。

68歳という戸沢さんですが、これからも、もっともっと活躍されて、きっと世に広く名前が出てくるに違いないと感じました。
「これからすごく有名になるだろうから、今のうち写真を撮らせてもらいましょう!」との私の言葉で、撮影した写真です。

来週は、スタッフたちと戸沢さんの作品を見せてもらいに、岩槻のヒノキ工芸にお伺いする予定です。


posted by Sachiyo Inami at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | スタジオネオの話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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