坂本 光司さんの著書「日本でいちばん大切にしたい会社」を読みました。
会社経営の目的も「株主価値の最大化」や「顧客満足」が当然とされる現在において、会社経営の1番の使命は「社員とその家族を幸せにすること」であり、2番目が「外注先・下請企業の社員を幸せにする」、そしてようやく3番目に「顧客を幸せにする」という内容で、実際に社員とその家族を一番に考え実行している企業を紹介している内容です。
私にとってスタジオネオの社員は自分の家族のような大切な存在であり、彼らを幸せにすることが(できるようになることが)スタジオネオの目指すべき目標であると感じています。
それと同時に、顧客に喜んでもらえる事もスタジオネオに与えられた使命と信じて仕事をしてきました。スタジオネオにとって、社員、外注、顧客を含むスタジオネオに関わるすべての人を幸せにしたい、そんな思いが根底にあり、だからこそ順番をつけることは考えていませんでしたが、この本に書かれていた「会社の利益は手段であり、目的ではない」つまり、会社の社員を幸せにするために利益が必要である、という事について、まさに自分が感じていたことであり、大きく共感するものでありました。
先日、代理店の方とスタジオネオのスタッフで食事をした時に、「なんで仕事をするか」という話題になり、私にも質問を受けました。
私は「好きだから。これが私に与えられた使命だと思うから。」
と答えたのですが、その「使命」の真意とは、私がスタジオネオを通して(一方では大学での講師という立場を通して)人を幸せにするということを指して出て来た言葉でした。
フリーランスとして一人でやっていた時は、自分の創りだすデザインで顧客が満足をして幸せを与える事ができることが最大の目的でした。
しかしスタッフを抱えるようになってからは、自然とスタッフの幸せを心から願う気持ちが生まれ、さらに感情的な問題だけではなく、私を信頼してついてきてくれるスタッフに対する責任の大きさを強く感じるようになりました。
会社がつぶれてしまったら彼らを不幸にすることになる、それを思うとスタジオネオを絶対に失敗させることはできない、そんな責任感が今の私の仕事に対する原動力となりました。
けれど社員を養っていくといった一方的な経営者の思い上がりだけでなく、社員の力によってスタジオネオが支えられている、という点が実はとても重要なことです。
一緒に力を合わせて顧客に喜んでもらえるいい仕事をすること、そしてその活動が社会貢献につながる事、その喜びを共有する事、それがスタジオネオスタッフにとって、一番の幸せなのではないかと感じています。
その代理店の方との食事の帰り道
「伊波くんは、スタッフに恵まれているなー。」
との言葉をもらいました。
確かに今のスタッフも退職したスタッフも皆心がきれいな人ばかりで、彼らに支えられて今があることを思うと、本当に私は幸せものだなあと、彼らから幸せを与えられているという幸せを噛み締めました。